【東京ラーメンショー2017】日本一ラーメンを食べた男・大崎裕史 VS Mr.Babe編集長【特別対談】
日本一ラーメンを食べた男こと大崎裕史氏とMr.Babe倉科編集長のこってり濃厚対談の第1回
ラーメン評論家として幅広いメディアで活動する自称・日本一ラーメンを食べた男こと大崎裕史氏。今年の開催が迫る日本最大級のラーメンイベント『東京ラーメンショー』の実行委員長をつとめる大崎氏と、「ポッチャリ腹を揺らしながら「俺の体の3分の2はラーメンでできている!」と豪語するMr.Babe倉科編集長の“ラーメン愛”にあふれまくったこってり濃厚対談を全3回に渡ってお届けします!
府中にある八海ラーメンの塩ラーメンが今一番好きなラーメン(編集長)
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倉科:いきなりですが、世の中の太っている男性の大半はラーメン好きだと思うんですよ。「ラーメンが嫌い」っていうポチャメンに会ったことがないので。
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大崎:そうなんですね(笑)。
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倉科:答えが体に出ちゃってる、と言いますか。実際に、僕もラーメン大好きで、昨日もラーメンを食べました(笑)。府中にある「八海ラーメン」というカウンターだけの小さなお店で、僕がいま一番好きなのがそこの塩ラーメンなんです。透き通ったスープに縮れ麺、あっさりしているけど深みのある味で。
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大崎:馴染みのお店が一番好きっていうのはありますよね。
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倉科:自分のDNAに合っているようなラーメンなんですよね。僕は東京都下で生まれ育ったのですが、おそらくラーメンの味覚って、小さい頃の環境で決まるような気もします。
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大崎:かなり大きいですよね。それは子供の頃に母親が作ってくれたラーメンだったり、親父に連れて行かれたラーメン屋だったりする。環境も多少は影響していると思います。
喜多方ラーメンが僕のラーメン原体験(大崎裕史)
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倉科:大崎さんは福島県出身ですね。
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大崎:喜多方ラーメンの隣町で生まれ育ちました。3人兄弟の末っ子だったのですが、私が小学校に入った時におふくろが働き始めたんです。その時、おふくろに「何か食べて来なさい」とお小遣いをもらって、町の食堂へ行ってラーメンを食べてた、というのが原体験ですね。
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倉科:当時食べていたのは喜多方ラーメンですか?
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大崎:そういうタイプのラーメンでしたね。
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倉科:ちょっと濃いめの醤油みたいな。
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大崎:お店によって濃い薄いは多少ありましたが、いわゆるみんながイメージするような喜多方ラーメンですね。高校時代までずっと会津で育ったので、そういうのがラーメンだと思い込んでいたんです。ですが、東京に出てきてからいろんなラーメンを見つけて、「こんなにいっぱいあるんだ!」「どんなラーメンがあるんだろう?」と思い、食べ歩きを始めたのがラーメンにのめり込んでいったきっかけです。
年間750杯ラーメンを食べ、そのうち7割くらいは新店(大崎裕史)
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倉科:現在、大崎さんは年間どれくらいラーメンを食べるんですか?
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大崎:年間だと750杯くらいです。そのうちの7割くらいは新店ですね。新店舗、新メニュー、まだ食べたことのないラーメンを食べています。ただ、今は都内だけでも毎月新店舗が50〜60軒オープンしているので、全国のラーメン店を制覇しようとしたら、そのペースでは追いつかない。だから、自分の好きなラーメンを2回、3回っていうのはなかなか食べられないんです。
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倉科:それは職業柄というのもあって?
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大崎:もちろんありますが、性格的な理由もあります。「これは俺の好きなラーメンだな。でもこれを上回るラーメンがあるかもしれないから、もっと探してみよう。ここで満足するわけにはいかない」と思ってしまうんですよ。
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倉科:なるほど。探究心が強い性格がゆえに。
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大崎:グルメ好きはみんなそうだと思います。いわゆる“リピーター”と“コレクター”の2タイプにわけられると思いますが、好きな店を見つけた時にとことんそこに通う人と、ほかにどんな美味しいラーメンがあるんだろう?と、どんどん横に広げていく人がいて、私は典型的な“コレクター”タイプなんです。だから「このラーメン美味しい! じゃあ明日も食べに行こう」ではなく、「こんなに美味しいラーメンがあるんだったら、もっと美味しいラーメンがあるんじゃないか?」と思って、ほかのお店も気になってしまう。そういう好奇心があるので、すべてを食べ尽くすまで終わらない、という(笑)。
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倉科:でも、年間750杯ということは日に直すと……。
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大崎:意外にたいしたことないんですよ。1日2杯でも730杯なので。1週間のうちのどこか1日を朝・昼・晩ラーメン、極端なことを言えば4、5杯ラーメンでも全然大丈夫だと思います。地方に行くと1日8杯ラーメンを食べて帰ってくることもありますからね。
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倉科:飽きたり、食べるのがツラくなることはないですか?
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大崎:よく聞かれますよ。でも、日本に生まれたら普通に毎日お米を食べて生活していますよね。毎日ごはんを食べていてもツラいなぁ、とは思わない。だから、「そんなにラーメンを食べてツラくないですか?」という質問に対しては、僕の場合「なんであんなに美味しいものがツラいんですか?」という返事になってしまいます。
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倉科:では、「仕事だからラーメンを食べなきゃいけない」というプレッシャーもない?
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大崎:そうですね。評論家的な仕事を始めてからラーメンを食べるようになったわけではないので。インターネットでラーメン情報サイトを始めたのが一つのきっかけではあるんですけど、それ以前から年間300杯くらい食べていました。
ネットのない時代。電話帳でラーメン屋しらべて食べに行っていた(大崎裕史)
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倉科:ちなみに、ネットが普及する以前はどうやって情報収集していたんですか?
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大崎:今の若い人には信じられない話かもしれませんが、仕事中にバスに乗っていて「おっ! あのラーメン屋知らないな。今度行ってみよう」とか、電話帳で探したりしていました。当時はそういう方法で見つけるしかなかったんですよね。私は営業だったので都内各所を回っていたんですけど、滅多に行かない駅に行くと、商談が終わったあと電話ボックスに駆け込むわけです。ただ、電話帳には店名と住所しか記載されていない。だから「○○軒か、ちょっと美味しそうだな」って店名で判断して、食べに行っていました。
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倉科:それはある意味、賭けですよね(笑)。ハズレの店を引いちゃうこともある。
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大崎:今の人は幸せだと思います。ある程度ネットのクチコミを読んで、店を決められますから。昔はそんな情報もなかったし、今と比べるとラーメンのクオリティも正直そこまで高くなかった。アタリを見つけたら本当に大歓喜で、ラーメン好きの人に「あそこに美味しいラーメン屋を見つけたぜ!」って報告していました。
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倉科:仲間にもオススメしてたんですね。
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大崎:私は昔からJ-POPが好きで、共通する部分があるんじゃないかと思うのですが、やっぱり掘り出し物を見つけると「このアーティストの曲いいから、ちょっと聴いてみてよ」って誰かに言いたくなるじゃないですか。じつは、中学生時代から自分の好きな音楽をカセットに詰めて、男女関わらず「これ、俺が好きな曲を集めたから聴いてよ」ってやってたんですけど、感覚的にはそれに近いかもしれませんね。
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倉科:今でいうキュレーターのような存在だった、と。
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大崎:まさにそうですね。全国のラーメンの情報をいろいろ集めて「こんな美味しいラーメン屋がオープンしましたよ」「近くに行ったらぜひ食べてみてください」と、ラーメン好きの人たちに情報を発信する。だから、そういう意味では、子供の頃からやってることはあんまり変わらないんだな、って思いますね(笑)。
次回、「女性を連れて行くならココだ!」。ラーメン大好きポチャメンに大崎氏が最強ラーメンデート術を指南。ラーメン屋店主の“あのポーズの謎”もあきらかに!?
Mr.Babe編集部