トレンド編〜忍び寄る暗雲〜
こんにちは、ファッションライターのぞのです。都内から地方まで暑い日が続いていますね、早めの水分補給など熱中症対策はしっかり取りましょう。
そしてそんな暑さの裏でポチャメンを危機に陥れるヤツらが近づいています。
端的に言いましょう、サイズ問題です。
ここ1、2年は特に色んなブランド/メーカー/量販店がビッグシルエットをわかりやすく名前付きで展開していました。
気楽に着られてオシャレにも見せられる、という良いとこ取りの提案は長く受け入れられ、今でも街では緩い格好を好む若者をよく見かけます。
しかし特に衣食住は時代とともに変化していくもの、ファッションも例外ではありません。
既に量販店などのファッションにも表れていることで、サイズ展開の数は変わらず、サイズだけが小さくなっているのです。
ユニクロの定番パンツの2年前のサイズ表記
今年のサイズ表記
(XXL〜のウエスト/ヒップ/わたり幅が昔より小さくなっています)
恐らくほとんどの人が自分のサイズはXXLサイズ、3XLサイズ、などと自分で着る服のサイズを把握しているかと思いますが、その認識のままインターネット通販などで服を買った際には『なんかキツいな?太ったかな?』なんて勘違いをすることに。
一定以上のポチャメン向けの服は横幅より縦幅を意識した作りにシフトしています。身長が高いタイプのポチャメンは多少恩恵を受けるかもしれませんが、日本人の平均身長(170cm前半)を考えると困る層が多いでしょう。
これからもっとポチャメンにとってファッションの問題は厳しい展開が続くと思います、しかし問題に直面する前にファッションについて知ることで避ける、どころか以前よりオシャレになれます。
何故ならファッションの知識とサイズ感を把握しておけば先回って対策ができるからです。
そして、ただでさえ厳しいサイズ問題は必然的にオシャレポチャメンの母数を減らしてしまいます。
ポチャメンがファッションに迷ってしまう前に警鐘を鳴らしたい、そんな思いでこの記事を書き始めました。
何故このような流れになっているのか?まずはビッグシルエット、そしてその流れが息を潜めとしていることについてもう少し言及しましょう。
2014~5年辺りに気張らない普通のファッショントレンド(ノームコアと呼ばれていました)がじわじわと受け入れられて爆発的に広がりましたが、そこから抜け出すトレンドとして普通じゃないサイズ感のビッグシルエットという逆のアプローチが丁度いいギャップと鮮度があり、ワードローブに取り入れやすいということで大勢の支持者を得たという背景もあるのです。
一昔前はビッグシルエットTシャツを誰もが着ている、そんな街頭の風景もよく目にしました。
(※ちなみに①横に広い②縦に長い
のどちらのトレンドも存在していましたが、より世間一般に浸透したのはビッグシルエットでお馴染みの①の方です。)
参考までにトレンドとして浸透する流れは
①パリコレなど世界から注目されるコレクションで様々な文化/芸術/商業的視点/時代の流れなどを加味した提案が発信される→
②共鳴したバイヤー/ライター/モデル/ファッショニスタなどが食いついてそれぞれの形で世間に向けて共有する→
③感度の高いそれぞれの顧客やフォロワーがいち早くキャッチして取り入れる→
④比較的ファッションに関心がある層がSNSや街で見かけたファッションに共鳴して取り入れる→
⑤広い層の人達の間で受け入れられる
ざっくりこんな具合です、広く共有されている感覚ではありませんが、ここでは①②③をトレンド、④⑤を流行とします。もう少し細かく話すとトレンド=流行ではなく、あくまでトレンドは流行の種、可能性や時代を汲み取った要素です。
逆を言えば、街にあふれる流行のファッションを辿ればほとんどの場合、1、2年程前のトップデザイナー/ブランドのコレクション発の提案に行き着きます。
もちろんトップがトレンドとして提案するたびに全ての人に受け入れられるわけではないので、セレクトショップや量販ブランドなどの目には止まらず、ファッショニスタの間でそのシーズンだけ持て囃される細かいトレンドとして瞬間風速的に見なくなるものの方が多いです。
着やすさから言ってもビッグシルエットは多くの人に受け入れられて息も長いのは、当たり前ですがそれなりの理由があります。
しかしそんな親しみやすいビッグシルエットの流れも永遠には続きません。
過去にシンプルなトレンドを打ち破ってビッグシルエットがトレンドとして提案されてきたように、今度はそれを打ち破るトレンドが提案されてきて現在じわじわと流行しつつあります。
それがスーツ/クラシックの要素です、セットアップなども関連して見受けられます。この流れがじわじわと浸透してきていて、多くのブランドが大なり小なりそれに追随しています。
スーツは誰もが袖を通したことがあるほど広い層から受け入れられているものですが、今回の場合、仕事着としての固いイメージのスーツではなく、その人にフィットしてスタイル良く見えるものや従来のスーツのイメージとは真逆に機能性に優れたものなど様々なパターンのものが提案されてきていて、じわじわと市場を席巻してきています。
スーツ/クラシックは近年までのカジュアルなトレンドとのギャップがあり、私服として取り入れるにはトゥーマッチでかしこまった要素なので、着用時によりオシャレに感じさせてくれます。スーツ/クラシックはそれなりの理由があって今のファッションシーンのトレンドとしてぴったりハマるわけです。
そのうちもっと広い層に受け入れられればもう少しサイズの基準の数値が小さくなっていき、都心部なんかに行くと(サラリーマンではなく)セットアップスーツをたくさん目にすることになると思います。
実は、次はスーツが来る!次はスーツが来る!という声は1、2年程前から様々なファッション関係者の声があったのですが、それほどカジュアルなトレンドの息が長かったのです。
ビッグシルエットを始めとしたカジュアルなトレンドの数々は形を変えて大きな要素の一つとして長い間流行しました。
しかし、じわじわと浸透していたスーツ/クラシックのトレンドがやっとサイズ基準を見直すレベルまで広まって、今まで流行っていた枠組みを覆すトレンドとして『新鮮』で、その違いが『オシャレ』という感覚になって流行し始めているのです。
ではこのサイズ問題とスーツ/クラシックのトレンドの流れを汲みたい方、我が道を行きたい方はそれぞれどのように対応していけば良いのでしょう?
①自分の体に合ったスーツのセットアップを見繕っておく
②今のうちにビッグシルエットなどの気に入った自分サイズのアイテムを買っておく
③トレンドにサイズが左右されにくい機能性の高いワーク/アウトドアブランドのものなども取り入れる
④体型に影響を受けにくいアクセサリー等のアイテムで組み合わせパターンを増やす
⑤サイズを上げて体型に合わせて服をお直しする
①がトレンド派、②③が我が道派、その他④⑤がその他ファッションを楽しむ方法、といったところでしょうか?まだまだ様々な解決方法はあると思います。
『セットアップスーツなら間違いないの?』『ビッグシルエットはもうダサいの?』なんて思った方の為に言わせていただきます。
答えはNOです。
ファッションへの影響が大きくてもあくまで一要素、スーツ/クラシックという枠組みだけのトレンドではないのです。しかし、その時々の鮮度のいいトレンドとしてコーディネートに取り入れるとファッショニスタ間で伝わる挨拶のような気持ち良さが加わると思っています。
そしてビッグシルエットも流行からスタイルへ移っただけなので、その時代や個性と合わせて自分だけのコーディネートとして落とし込めばOK。
それにポチャメンがわざわざ大きい服を着る選択肢を完全に捨てるのは不自然でもあります。あくまで今より大きい服の入手経路が少なくなりそうなので、ちゃんと今後のファッションへの対策をしましょうという趣旨です。
オシャレなポチャメンを目標とするMr.Babeで、この記事を通して提起した問題を各々が考える機会、話し合ったりファッションスタイルを見直したりするきっかけにしていただければ幸いです。各々がその時着る服を選ぶこともそうですが、事前に問題を考えて対策することもオシャレに繋がるのです。
ポチャメンたちの間での流行りのファッションスタイルも素敵ですが、時には大元のファッション界の流れも加味して時代に合ったオシャレを楽しんでみてはいかがでしょうか?それでは、ぞのでした。
ぞの プロフィール
「デブでも、デブだからこそ」の両方の考えを持って世のデブをオシャレにしたい非デブ。
研究の為に大きい服を購入して知人のデブに着せてデータを取るほど「デブ×ファッション」の可能性を信じていて、ファッションからその人となりを考えるのが最高のコミュニケーションだと思っている。
Mr.babeデブでもオシャレデブファッションデブファッションコーデデブ服ポッチャリオシャレコーデモテるデブには理由がある