11月になると何かと取りざたされるワイン、それが「ボジョレー・ヌーヴォー」だ。
フランスの東部、ブルゴーニュとローヌ川流域との間に広がる、ワイン作りに最も適しているとされるボジョレー地方で育ったガメイ種のブドウを100%使い、毎年11月の第3木曜日の午前0時に解禁される赤ワインの新酒を「ボジョレー・ヌーヴォー」と呼ぶ。時差の関係で、日本では他国より早く飲むことができることから、ワインをあまり知らない人たちの間でもボジョレー・ヌーヴォーは浸透。そのため、「ボジョレー」と聞くと、誰しもが枕詞のように「ヌーヴォー」と付け足してしまう、そんな現象も起こっている。

そもそもボジョレー・ヌーヴォーとは何ぞや？

ボジョレー・ヌーヴォーとは、「マセラシオン・カルボニック法」と呼ばれる製法により、短期間で熟成されたワインのことを指す。通常、ワインを仕込む際はブドウを粉砕して果汁に果皮や種子を一緒に発酵させるが、マセラシオン・カルボニック法では、ブドウをつぶさずにタンクに大量に入れ、自重により染み出てきた果汁を使用。ぶどうの皮に付いている酵母の働きで発酵が始まり、炭酸ガスが生成。アルコール、アミノ酸、コハク酸といったワインに欠かせない成分が短期間で作られるという。こうして作られたワインは、色が濃いのに渋みが少なく、まろやかな味わいが特徴となり、熟成しなくても十分に美味しく飲めるワインに仕上がるのだ。
こうしたワインは本来、通常の仕込みを行ったワインの出来を見るための「試飲用のお酒」であったが、美食の国・フランスだけあり人気がエスカレート。いつしか世界中でひとつのイベントとして愛されるまでになったという。

ボジョレーの帝王が興した「デュブッフ社」のワインをテイスティング！

お祭り好きな日本人の間では「ボジョレー・ヌーヴォー」が独り歩きしてしまっているのが現状だが、ボジョレー地方のいわゆる“普通”に作られるワインは、世界的に評価が高い。
そうしたことを教えてくださったのは、今回のテイスティングセミナーに登壇した、ジョルジュ・デュブッフ社のアドリアン デュブッフ・ラコンブ氏だ。ラコンブ氏はボジョレーの帝王とも呼ばれるジョルジュ・デュブッフ氏を祖父に持ち、ボジョレー地方のワインをこよなく愛するイケてるお兄さんなのである。

世界各国のワイン関連企業でインターンとして勤務経験を重ね、フランス語、英語、スペイン語を操る秀才っぷりがうらやましすぎるが、氏からほとばしるワイン愛がなんとも心地よい。ちなみにジョルジュ・デュブッフ社は、ボジョレー・ヌーヴォーを世界的に有名にした立役者でもあるという。

ということは――これからいただくワインは、間違いなく美味しいに違いない!!

さっそく、ジョルジュ・デュブッフ社のワインをいただく。

まずは『ボジョレー』（右）と『ボジョレー ヴィラージュ』（左）から。軽やかな口当たりでありながら、ブドウの香りがしっかり伝わる。とくにボジョレー ヴィラージュは、深く染みていくような味わいが絶品。ヌーヴォーではないが、今回は暑い日だったこともあり、ほどよく冷やしたものをいただいた。

「この、なんとも言えないルビー色が美しくて美味しそうですね」と野坂さん。

ワインのテイスティングといえば、ぐるぐる回して香りを嗅ぐなど、しち面倒臭い仕草が特徴的だが、難しいことは考えず、暑い時期には、ワインがキンと冷えているうちにいただくのが通というものなのだ。

まだまだ!! 新酒だけじゃないボジョレーの魅力を堪能！

さて、いよいよ真打登場。ボジョレーのクリュ（畑）の中でも最も北に位置するサンタムールという村で収穫されたブドウを仕込んだ、その名も『SAINT-AMOUR（サンタムール：聖なる愛）』。熟した桃やアプリコットを彷彿とさせる甘く優しい香りが特徴で、クドさがなく飲みやすいのに、喉を過ぎた瞬間、ワインの余韻をしっかり感じられる、「ああ、これは本当に美味しい！」とうなずける1本だ。

「これ!! このワインなら僕、100本くらい飲めます!!」

と、野坂さんも大絶賛。ワイン通から初心者まで、誰もが満足できる1本と言えるだろう。

しかも、このクオリティのワインが2000円台って……え!? 本気で!?

ボジョレー・ヌーヴォーも美味いが、ボジョレーのワインも美味い！ しかも懐に優しい!!
この“事実”を、ぜひ、Babe読者の皆様にも飲んで体感してみてほしい。
美味しい肴と、ジョルジュ デュブッフのボジョレーがあれば――カロリー補給はカンペキだ!!

＜商品情報＞
ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 2016／1,390円
ジョルジュ デュブッフ ボジョレー・ヴィラージュ 2016／1,620円
ジョルジュ デュブッフ サンタムール 2015／2,410円
ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ロゼヌーボー ボジョレパーティ 2017／2,560円

＜参考＞
ジョルジュ デュブッフ ボジョレー
https://www.suntory.co.jp/wine/special/gd/index.html