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なぜラーメン屋の店主は腕組みをして写真を撮るのか?【東京ラーメンショー2017特別対談第2回】

ラーメン評論家として多方面で活躍する“自称・日本一ラーメンを食べた男”大崎裕史氏。「朝・昼・晩すべてラーメンでもいい!」と広言する本誌編集長・倉科典仁。熱々ラードのごとくラーメンに情熱に注ぐ男たちによる、マシマシのメガ盛りスペシャル対談! 第2回目は絶対に失敗しない最強ラーメンデート術も伝授!そしてラーメン屋が腕組みする秘密に迫ります!

前回の記事はこちらから。

ラーメン好きはスープも全部飲むべきなんですか?

ラーメン評論家 大崎裕史氏

  • 倉科:
    ポチャメンはスープも全部飲み干す人が多いと思うんですけど、大崎さんの信条として、ラーメン好きはスープも全部飲むべきなんですか?
  • 大崎:
    いえ、べき論で言うのであれば、むしろ健康を考えたら全部飲まないほうがいいんじゃないかと思います。全部飲み干すと、塩分と脂分の取りすぎですからね。
  • 倉科:
    ハハハ。そうですか(笑)。
  • 大崎:
    私も昔は全部飲んでましたけどね。あと、連食をするようになったのはインターネットでラーメン情報サイトを始めてからなんですよ。昔は一軒のお店でお腹いっぱいにしたいので、スープは飲むし、それでも足りなかったら餃子も注文するし、半チャーハンがあれば追加で頼んでいました。だから、2軒行くなんていうのはインターネットが始まってからなんです。あと、昔は大食いでもあったので、普通にランチを食べたあとにラーメン一杯くらいだったら食べられたんですよ。営業時間中に知らないラーメン店を見つけたら「とりあえず食べる」という、そういう食べ方をしていました。
  • 倉科:
    ラーメンは別腹だと。
  • 大崎:
    そうですね。ほぼどんなタイミングでも食べられる感じでした(笑)。
  • 倉科:
    それは同感だなぁ。たとえば、妻の誕生日だとフレンチとかイタリアンに行くじゃないですか。それ、僕ダメで。そのあとにシメのラーメンを息子と一緒に食べに行ったりする。
  • 大崎:
    やってました、やってました(笑)。
  • 倉科:
    じゃないと締まらない感じがするんですよ。もはやスイーツ感覚(笑)。ただ、最近はラーメン屋に行くと「麺抜いて」って頼む人もいるらしいじゃないですか。

ヘルシーなラーメンが増えてきている?

『Mr.Babe』編集長 倉科典仁

  • 大崎:
    最近、糖質制限ダイエットが流行っていますが、小麦粉は糖質が多いということで「麺抜き」もできるラーメン店が出てきましたね。麺の代わりに豆腐が入っているところもあるし、麺を抜いてキャベツの千切りが入ってるところもある。あと、「リンガーハット」なんかもそうですね。麺なしで野菜だけのちゃんぽんというメニューがある。
  • 倉科:
    罪悪感なく食べられるヘルシーなラーメンが増えてきている?
  • 大崎:
    増えてますね。糖質をカットした麺とか、こんにゃく麺というのも出始めてきていますね。でも、個人的には「そこまでしてラーメン食べたい?」って思うんですよ。
  • 倉科:
    いろいろ抑えながらラーメンを食べるって、なんていうか……ラーメンの醍醐味がないですよね。
  • 大崎:
    おっしゃる通りです。
  • 倉科:
    『Mr.Babe』もそうなんですけど、別に「太っちゃダメよ」って言ってるわけじゃないんです。やっぱり豊かで楽しいライフスタイルを過ごすためには、健康被害があるようなことはダメだけども、運動もするし美味しいものも食べるし、という方向がいいじゃないですか。
  • 大崎:
    私もラーメンの味方なので、普通の食事の代わりにラーメン一杯食べるくらいだったら絶対に太りませんよ。私は1日2杯ラーメンを食べて、夜にフレンチを食べたりお寿司を食べたりしていますが中肉中背です。まあちょっと太りつつあるのは中年太りなだけで、ラーメンのせいではないと思っています。
  • 倉科:
    ラーメン1杯だけでは太らないですよね。ただ、ラーメンと餃子、ラーメンとチャーハンを食べた場合は?
  • 大崎:
    サイドメニューのチャーシュー丼とか卵かけごはんも大好きなので、食べることもあります。で、そういうごはんものを食べた時は意外と太るんですよ。だからごはんものの糖分が結構大きいのかな、と思います。あと、ラーメンがよくダイエットの目の敵にされてしまうのは、飲んだあとのシメに食べに行くことが多いからですよね。それで「太っちゃったよ」と言うのは、それはラーメンが悪いんじゃなくて、単純な食い過ぎです。
  • 倉科:
    ハハハ(笑)。ラーメンを食べる前にいろいろ食べている状態ですもんね。
  • 大崎:
    そうなんです。飲んだり食べたりしてるからそこで終わっておけばいいのに、シメにラーメンを食べるから太ってしまう。それをラーメンのせいにするのはどうなんだろう、と。ラーメンが悪いわけじゃなくて、それはあなたの食生活が悪いんですよ、と言いたいです。ただ、飲んだあとに食べるラーメンっていうのは本当に美味しいので、クセになるんですよねぇ(笑)。

大崎さんがオススメする「女性を誘うならココ!」


出典:ソラノイロ公式HP http://soranoiro-vege.com/

  • 倉科:
    ちなみに、ポチャメンってグラスハートな方が多くて、なかなか女性と交流できなかったりするんですけど、そこで一番女性を誘いやすいのはキャラクター的にもラーメン屋なのかなって思うんですね。なので、大崎さんがオススメする「女性を誘うならココ!」という店舗があれば教えていただきたいです。
  • 大崎:
    自分のブログでもオススメしていますが、麹町と京橋と東京駅にある「ソラノイロ」は女性にも喜んでもらえるお店ですね。おしゃれで接客もよくて、女性向けのインスタ映えするようなベジソバというラーメンを出しています。あとは渋谷の「九月堂」。カフェのような内装でゆっくりできるし、スイーツのメニューも豊富なので、女性を連れて行くにはいいと思います。
  • 倉科:
    昔はラーメン屋といえば、雑然としていて、汚くて、女性が一人ではなかなか入りにくいイメージがありましたけどね。
  • 大崎:
    最近は本当にきれいな店が増えたので、そういう意味では女性も連れて行きやすい時代になったと思います。紙エプロンがあったり、髪留めとか女性への気づかいがあるとうれしいですよね。そういうお店を事前に調べておけば、「わぁ、素敵。女性にこんなに気をつかっている店に連れてきてくれたの!?」とか「あなたって詳しいのね」と、株も上がるんじゃないでしょうか。
  • 倉科:
    「ラーメン二郎」に女の子を連れて行列に並んでいる学生とかもいますよね。初めて食べる女の子に、並んでいる間ずっとうんちくをしゃべってるような(笑)。
  • 大崎:
    あれはちょっとね(笑)。ただ、ポッチャリ系の人でたくさん食べられる自信があれば、二郎に行って「大」を食べきってみせるのも一つの演出としてはいいかもしれない。自分のを食べきって、なおかつ女性に「食べられなかったら俺が食べてあげるよ」みたいな。「頼もしい人!」と思ってもらえるかもしれません。でも、二郎でそれをやられると、ロットを乱してしまうので迷惑ですけどね(笑)。
  • 倉科:
    やるならほかの店でやったほうがいい、と(笑)。

なぜラーメン屋の店主は腕組みをして写真を撮るのか?

  • 倉科:
    あと、ちょっと脱線した質問ですが、なぜラーメン屋の店主は鉢巻きとか腕組みをして写真を撮るんですか?
  • 大崎:
    鉢巻きをするのは、汗をかくので目に入らないよう抑えている、という意味があるんですよ。腕組みの写真は、ラーメン店主のイメージが強いですが、あれはもともとフレンチシェフがやってたことなんですね。
  • 倉科:
    そうだったんですか。
  • 大崎:
    実際、「写真を撮りますよ」という時に、手の行き場ってかなり難しいと思います。ラーメン店主に限らず、私なんかも「写真を撮らせてください」と言われた時に、どこに手をやったらいいのかわからないんです。そうした時に、ちょっと気取るとやっぱり腕組みポーズになっちゃうんですよね。
  • 倉科:
    僕も職業柄、素人さんの写真を撮る時に「笑ってください」って言うことが多いけど、なかなか自然に笑えないので、ちょっと睨みつけるようなキメ顔をしたほうがいい場合があります。職人さんは恥ずかしがり屋な人が多いので、手をどうしていいかわからないとか、硬くなっちゃうのも頷けます。
  • 大崎:
    ポケットに手を入れるわけにはいかないですから。
  • 倉科:
    ファッション誌のストリートスナップでは「じゃあちょっとポケットに手を入れてください」とかありますけど。
  • 大崎:
    そういうのはラーメン屋さんは絶対にやらないでしょうね(笑)。

 

 

(次回予告)

次回、いよいよ開催が迫る日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー2017」について、実行委員長をつとめる大崎氏に、今年の見どころをたっぷり語ってもらった。イベントをさらに楽しむためのマル秘裏ワザも!?

 

Mr.Babe編集部