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【燃えろ!!デブ野球】第19回 オリックス澤田圭佑のようになりたくて、猛牛コロッケを食べたあの日の京セラドーム

燃えデブ第19回は開幕から15試合連続無失点を続けるオリックスのビッグボディリリーバー澤田圭佑!

清宮の打席速報を流し続ける巨人戦中継は見たくない

 1億総主役の時代だ。

 公開中の映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の見所のひとつは全員主役の集合だったし、最近の『キン肉マン』ではカナディアンマンやティーパックマンといった一昔前のネタキャラが堂々と主役を張る回もある。すっかりチケットが取りにくくなってしまった新日本プロレスも王者オカダだけでなく、多くのユニットとベルトが存在する複数スター制である。だってその方がグッズも売れるからね…なんて大人の事情は言うだけ野暮だろう。

 プロ野球でも地上波中継の激減で国民的スターという概念が薄れた分、SNS上の無数の小さな円環で多くの選手が知られるようになった。1軍の主力だけでなく、2軍の若手にも固定ファンはついている。娯楽の多様化と言うより、好みの細分化。自分で何でも選べる時代だからこそ、今のユーザーは「メディアから一方的に提示される」ことを嫌う。例えば、日本ハムの清宮君は間違いなく逸材だが、先日の日本テレビ系列の巨人vs阪神戦(東京ドーム)中継では、試合展開に全然関係ない清宮打席速報を流し続けた。っていうか、昭和じゃないんだから本当に気になる人はスマホの速報を見るだろう。パンケーキを食べに行ったのに、店主から焼き肉の話をされても「美味いのは分かる。でも今じゃないよっ!」とキレて終わりだ。そういう意味不明な押し売り野球中継はやめてほしいと願いつつ、今週もあなたの月曜夜9時のおとも月9コラム『燃えデブ』が始まった。

 例によって導入部とまったく関係ないが、週末は京セラドームでオリックスvs楽天の一戦を観戦してきた。途中立ち寄った大阪市内の某大型書店の野球雑誌コーナーではやはり阪神モノが大多数を占め、元南海ホークス繋がりでソフトバンクが続き、次に距離的に近い広島カープ本、で巨人の月刊ジャイアンツがさりげなく置かれているくらいだ。地元チームのはずのオリックス・バファローズの扱いは不当なほど小さい。

好きな女性のタイプは「金髪、イケイケそうな人」と答えるミスターゼロ

 いや実際に京セラドームで食うたこ焼きは美味いっすよ、東京ドームより気持ち安いし広いし空いてるしなんつってスタジアムグルメを楽しみながら野球を堪能する雨の日曜日。オリックスの投手陣で見たかったのは“ミスターゼロ”こと澤田圭佑だ。178cm、96kgのビッグボディ。好きな食べ物は期待通りに“肉”。サワちゃんは大阪桐蔭高時代はあの藤浪晋太郎とともに背番号10を背負い甲子園で春夏連覇達成、東京六大学リーグの名門・立教大でも通算22勝を挙げたプロ2年目右腕だ。

 オフには釣りやゴルフを楽しむ24歳は、テレビインタビューで「ふとした時に人の話を忘れる。気を抜いたらボ~ッとしてしまう」と己の天然さを笑い、『週刊ベースボール』では「人混みが苦手、野球でもお客さんが少ない方が集中できる」とプロ野球選手としてそれ大丈夫?…的なカミングアウトをかましている。「電車が混みそうなときは、わざわざ人が少なそうな駅までタクシーで行ってから電車に乗って、寮まで帰ったりしていましたね」って朝の通勤ラッシュとか絶対無理でしょと心配してしまうが、オリックス公式サイト掲載の好きな女性のタイプは「金髪、イケイケそうな人」と回答。人混み嫌いでギャル好き。もはやなんだかよく分からないが、今季はここまで15試合(15.1回)に投げ失点0、防御率0.00、奪三振率11.15、被打率.085、WHIP0.46と中継ぎとして驚異的な成績を残している。

 その風貌から150キロ前後の直球で押しまくるゴリゴリのパワーピッチャーと思われがちだが、コントロールも良く多彩な変化球を持つ大崩れしないベンチからしたら使い勝手のいいタフネス投手だろう。もし阪神で同じ活躍をしたら、今頃関西マスコミに大きく取り上げられているはずだ。背番号49の成り上がり野球人生を、ぜひ球場で体感してみたいと意気込んで出掛ける京セラドーム大阪。…なんだけど13日のオリックスは序盤から楽天にリードを許し1対9の大敗。澤田は最後まで登板しなかった。

オリックス大量失点の末、澤田登板せず。


 えっ? なんなのこのコラム。澤田圭佑の投球見れてないし、全然関係ないけど本田圭佑はヴェルディの練習参加してるし、普通にたこ焼き食って、近鉄バファローズの復刻Tシャツ買って帰ってきてどうするんだよ…って、これがプロ野球だ。NG出しても撮り直しはないし、パワプロと違ってリセットボタンもない。リアルなプロ野球は、裏切りの連続である。応援したチームが勝てるとは限らないし、贔屓の選手が試合に出ないことだって当然ある。俺らが生きる日々の日常と同じだ。死ぬまで成功し続ける人なんかいないよ。だから、物事が思い通りにいかない時やミスった時にどう対処するのかが大事になってくる。で、あんたはどうするんだ? 誰かのせいにしてすべてを諦めるか? その目の前の状況を楽しむのか? サワちゃんは高校時代から藤浪晋太郎と比べられ、プロ入りもドラフト8位の下位グループ。それでも「オレはオレ」と腐ることなく、今季の大活躍に繋げている。

 お目当ての澤田は見れなかった。けど、球場で食った猛牛コロッケ(1ケ300円)は美味かった。それでいいじゃん。俺は人生のどんな最悪の状況でも、諦めずに猛牛コロッケを食いながら逆襲の一手を考える大人でいたい。

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