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【燃えろ!!デブ野球】第7回「俺はフィギュアスケートより、アルバラデホを選ぶ人生を生きたい」

燃えデブ第7回は、1年のみ在籍で地味に結果を残した規格外の巨漢投手、ジョナサン・アルバラデホ! 

引っ越しとプロ野球の助っ人選手は似ている

 引っ越しは切ない。

 だって、買った瞬間はあれほど欲しかったものが、数年後の引っ越しでは段ボール箱に詰められ、時に邪魔だからと捨てられてしまうわけだ。友人夫婦の引っ越しを手伝ったら、奥さんが主導権を握り、やはり旦那が大事にコレクションしていたはずの古い雑誌や漫画が大量に捨てられるリアル。いやお前、それ秋葉原の『まんだらけ』まで俺と一緒に買いに行ったやつやんけ。当時はあれだけ嬉しそうにしてたのに…。「まあ、かさ張るし上の子が大きくなったら子ども部屋も必要だしな」なんてお好み焼きをつつきながら力なく笑う同級生。無性に真島昌利の名曲『さよならビリー・ザ・キッド』が聴きたくなる夜だ……なんて切ない出だしで今週も完全燃焼の『燃えデブ』が始まった。

 思うに、プロ野球助っ人選手も引っ越しと似ている。キャンプで来た時は「あいつは凄い」と救世主扱いでマスコミから取り上げられても、そのほとんどは人知れずチームを去って行く。服を買って、3年後も主力で着続ける掘り出し物なんてほとんどない。シャツも助っ人も1シーズン着終わったらモデルチェンジでほなサイナラ…。まあ日本野球に適応できずにクビならばまだファンも縁がなかったと割り切れるが、難しいのはそれなりに結果を出したのに編成の関係で1年で切られてしまうケースである。

1シーズンのみ巨人に在籍した巨漢メジャーリーガー

 例えば、ジョナサン・アルバラデホもそうだった。2011年の1シーズンのみ巨人に在籍したヤンキース出身の巨漢投手。当時のクローザー久保裕也が67試合、セットアッパー山口鉄也の60試合に次ぐ、チーム3位タイの46試合に投げ、2勝2敗2S8HP、防御率2.45(WHIP1.21)という成績を残した。身長196cmから投げ降ろすド迫力の直球とキレ味鋭いカーブは強烈なインパクトで、セットポジションからの投球さえ改善されれば2年目はもっと活躍できるはず…と思ったら悲しみの解雇。82年生まれで当時29歳と若く伸び代もあるのに。もったいねぇ…って、やっぱアレか? 太りすぎがネックになったのか? そう、通称アルビーことアルバラデホはとにかくデカかった。公称118kgも来日直後の中日スポーツでは「126kg、まるで力士」とぶっこまれる驚異のサイズ。まだ楽天のアマダー来日前、プロ野球史上最重量とまで言われたガタイの良さはキャンプで格好のネタとなった。ちなみにオフのピーク時は140キロ近くあったという。一応断っておくが、球速ではなく体重の話だ。

平昌五輪の真っ只中にアルバラデホを語る。

 今となっては懐かしさすら覚えるが、アルバラデホが在籍した11年の球界は“飛ばないボール”の統一球問題で揺れていた。巨人もチーム本塁打数が前年の226本から108本へと半減。ホームランによる得点は約200点も減り、ガッツ小笠原はわずか5本塁打に終わり、打撃成績を落とした4番ラミレスも横浜へ去った。この年の巨人新助っ人陣は伝説的なハズレ年で、自身の三振に怒ってクラブハウスへバックレた“三振バックレ男”ことラスティ・ライアル。地震が怖くて開幕前に勝手に帰国して制限選手扱いとなったブライアン・バニスターと呪われてるレベルの悲惨な状況において、アルバラデホは地味ながらもしっかりブルペンに貢献したと言えるだろう。だが、チームはオガラミコンビから4番キャッチャー阿部システムへの改革を迫られていた時期で、アルバラデホの去就もその流れに飲み込まれた形になってしまった。

 ちなみに正三塁手候補のライアルが期待外れに終わり、ストーブリーグで代わりに補強したのがFAの村田修一。バニスターの反省から今度はガチの大物をと、パ・リーグ最多勝投手のデニス・ホールトン獲得に走らせた。さらに杉内俊哉も獲ってしまうのだから当時のジャイアンツマネーは恐ろしい。そして、アルバラデホがいなくなり、直後に巨人が楽天との激しい争奪戦の果てに契約した外国人投手が、ご存知あのスコット・マシソンというわけだ。6年間で359試合に投げ、今季来日7年目を迎えるブルペンの大黒柱。いわば11年のアルバラデホは、翌12年のマシソンへの道を作った。いつの時代も歴史はデブが作る。

 ってそのラストの強引なロジックなんやねん…と平昌五輪真っ只中の2018年2月16日に羽生結弦や宇野昌磨ではなく、ジョナサン・アルバラデホを語る。この世界の片隅にそんなコラムがひとつぐらいあってもいいだろう。周りがどうかなんて知ったこっちゃない。10年後も20年後も、俺はフィギュアスケートより、アルバラデホを選ぶ人生を生きたい。

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