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超レアなFA選手の復活・山口俊の底知れぬタフさに震えた年末【燃えろ!!デブ野球】第49回

燃えデブ第49回は背番号11への変更も話題の復活を果たした山口俊!

篠崎愛のカレンダーが今年は未発売、風邪が完治しない、『西郷どん』も最終回と最近ツイてない。

「篠崎愛のカレンダー、来年のまだ出てないんですよね」

 新刊小説『ボス、俺を使ってくれないか?』のサイン本を作るため、お邪魔した書泉グランデの店員さんはシリアスな顔でそう言っていた。マジすか……5年連続で仕事場のトイレのカレンダーは篠崎愛を使用している俺は動揺した。でも泣かないよ~(山口俊のお立ち台風)。最近、ツイてない。風邪が1か月以上完治しないので、忘年会は欠席の連続。1年間楽しみに観てきた大河ドラマ『西郷どん』も先週末が最終回。こんな夜はうまい飯でもと近所のカレー屋へ行ったら11月末で潰れていた。でも泣かないよ~(本日2度目)。生活時間が不規則なフリーライターにとって夜遅くまで食えるインディペンデントなカレー屋の存在は貴重だ。個人的に無意味にピクルスにこだわるようなシャレオツなカレー屋は落ち着かない。イメージ的には喫茶室『ルノアール』のランチタイムに出る昔ながらのハンバーグカレーライスがベストだ。スープカレーとかナンカレーより、ノーマルな赤い福神漬け付きの日本風カレーライスが食いたい。でも泣かないよ~いやなんでやねん……なんつって今週もノークライコラム『燃えデブ』が始まった。

 それにしても、厳しいオフだ。セレッソ大阪は選手の草刈り場と化しちまった。唐突にサッカーの話題になってるが、実は個人的にSAKURA SOCIOに入っている。Jリーグのファンクラブがどういうものか興味があり、大学時代に長居スタジアムへちょくちょく通っていた縁でまたセレッソを応援しようと思ったのだ。そしたらこのオフに監督交代、さらに山口蛍、杉本健勇、山村和也らはJ1各チームへの移籍が報じられ、心臓部のソーザにまで退団の噂がある。客観的に見たらピンチだが、ファン心理とは不思議なもので、「いや代わりに都倉が来そうだし、若手にもチャンスでしょ」とナチュラルに思えてしまう。

巨人・上原の自由契約から再契約に対して流れは、30年前ならその前段階から疑ってみていただろう。

 そんなセレッソとは対照的に派手に動いているのが野球の巨人なわけだが、43歳の上原浩治の一旦自由契約からの再契約がFA人的補償逃れではないかとネットで声が挙がり、わざわざ球団側や本人がそれを否定する一幕があった。確かにプロテクトリスト提出直後のタイミングで、年俸2億円から大幅ダウンの5000万円での再契約&19番復帰はいくらでも突っ込める。個人的にはこれが戦略だったら大したものだと思う。ただ、大きな違和感を感じるのは噂がリアルだとして、プロが時間経過も含めこんなバレバレの杜撰なブックを描くだろうか? まあ真相は闇の中だが、この件で興味深かったのはユーザーの“情報”に対する素直な反応だ。もし30年前の球界関係者なら、その前の段階から疑ったと思う。つまり「仮に膝の手術そのものがフェイクだったら?」と。寝業師・根本さんだったらやりかねない無茶苦茶な突っ込みの角度。それが現代は目の前の情報に対して反射的に物事を考える。そのスピードがハマる時もあれば、ストーリーの展開や奥行きを殺してしまうこともある。

「いまは情報の世界だから、きっとネットでバンバン攻撃してくるよね。じゃあ、まだあの頃はつくり込みがしやすくてハマったってことだ」
 プロレスラー武藤敬司は『証言1・4 橋本vs.小川 20年目の真実』(宝島社)中で、90年代終わりの橋本真也対小川直也の件についてこんなコメントを残している。確かにプロレスにしてもプロ野球にしても少し前まで日付でそれをあらわす“10.8決戦”とか“10.19”みたいな名称が結構あった。でも、ここ10数年でその手の呼び名は激減した気がする。要はひとつのイベントを長い時間かけて掘り下げるよりも、目の前の瞬間を連続で消費していく。良くも悪くもパッと盛り上がってハイ次みたいなあの感じ。

冷静に見て山口俊のFA移籍から挫折と復活は、超レアなストーリーだと思う。

 例えば、巨人の山口俊の今シーズンなんて滅茶苦茶ドラマチックだったと思う。だって、去年の夏にわずか1勝のままズンドコ事件を起こしてクビ寸前だった男が、今季30試合、154回を投げチーム2位っていうか両リーグ2位の6完投(2完封)で9勝9敗、防御率3.68。ノーヒットノーランも達成し終盤には緊急クローザーも務めた。2年連続沢村賞のスーパーエース菅野の陰に隠れがちだが、巨人投手陣の崩壊をギリギリで食い止めていたのは復活したタフネス右腕山口どんでごわす。しかも、オフには上原から背番号11を継承。あの“平成の大エース”斎藤雅樹がつけた番号だ。

 もはや「いらない」なんてディスるファンもほとんどいない。と言うより、猛スピードで消費されて恐ろしくナチュラルに巨人に馴染んだ感すらある。いや、最近の嵐のような補強に飲み込まれてしまったけど、これはしっかり書いておきたかった。冷静に見て山口俊のFAの挫折と復活ストーリーって超レアだと思う。難易度高いよ。期待されて移籍してきて1年目まったくダメで、2年目以降に一気に持ち直す。逆襲のシュン。比べちゃなんだけど、2年連続87試合の出場に終わった陽岱鋼が1番センターでフル出場して3割20本打つとか、森福が来季セットアッパーで大活躍とか、野上がローテで12勝8敗レベルの成績を残せるかと考えたら、正直ほとんど奇跡ってレベルだろう。それだけ移籍1年目って重要で、その失敗から立ち直った山口俊の馬力は半端ない。

 なんか変な書き方だけど、野球以前に日常の勉強になったよね。あぁ瞬間的な判断、反射的なディスりは危険だなって。何か不祥事起こしちゃいました。それって終わりじゃなく始まりなんじゃねえかって。で、例え出足でつまずいても焦らず行こうってね。個人的に26歳で転職して、試用期間に大きなミスをして上司と険悪になり腐ってしまったので、ちょっと今年の山口俊の投げっぷりは身に沁みた。

 リスペクト・トゥ・ドスコイ。あんたは凄い。

 でも泣かないよ~。

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