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【燃えろ!!デブ野球】第27回 猛暑に負けないために必要なのは、大原優乃とバレンティンだと気付いた神宮の夜

燃えデブ第27回は驚異の本塁打率を誇るセ界のバズーカ、ウラディミール・バレンティン!

アラフォーには真夜中の牛丼はきつく、真っ昼間のなか卯で「冷やし豚しゃぶキムチ担々うどん」を啜る

 「ジャンプって就職先じゃないでしょ? って」

 『週刊少年ジャンプ』50周年記念特集で鳥山明と井上雄彦の黄金対談が掲載されていた。『SLAM DUNK』で黄金期のジャンプを支えた井上はあえて「そこに載るのがゴールではなく、“場”だと思ってほしい」と言う。要はいかなる媒体も神格化してありがたがるなと解釈できるわけだが、受験勉強とか、就職活動が終わった直後は、誰だって多少の到達感はある。希望の学校に受かったとか、それなりの会社に入れたとか、DMMのエロ動画購入を月2000円以内に抑えられたみたいな安堵感にスポイルされずにハングリーであり続けるのは難しい。

 だから、俺らは真夜中の『吉野家』とか『なか卯』に向かうわけだ。深夜1時、野郎どもが等間隔に座り、黙々と牛丼をかきこむ。男ぼっちの世界。嫌でも自分自身と向き合う空間。このままウチに帰っても冷蔵庫にはレッドブルと賞味期限切れのブルガリアヨーグルトしかない。今日もパッとしねぇ1日だぜこんちきしょうと思いながら食う牛丼は悔しいけど美味い。俺らは20代の頃にいったい何杯の“こんちきしょう牛丼”を食ったのだろうか? 

 だが、悲しいことにアラフォーになるとさすがに猛暑と真夜中の牛丼はキツイ。日和った俺は真っ昼間からなか卯で「冷やし豚しゃぶキムチ担々うどん」を啜りながら、スマホの新日本プロレスワールドでG1 CLIMAX 28を視聴する。もはや気軽にふらっと見に行けないほどチケット争奪戦が激しい今の新日だが、近年の課題はやはり外国人レスラーの層の薄さだろう。仮に唯一メインを張れるケニー・オメガが海外団体へ移籍したら超痛い。そんなのブッカーも百も承知で少し前はバッドラック・ファレやマイケル・エルガン、2018年はザック・セイバー・ジュニアやジェイ・ホワイトをプッシュしているが、正直興行の締め役は厳しいと言わざるを得ない。この辺は野球のMLBとNPBのマネー格差に近い構図で、スーパースターへと育ったレスラーは大金でWWEに引き抜かれてしまうリアルがある。結局はカネかよって、俺らだって転職活動の際は月1万円でも多く貰える職場を探すからね…なんつっていきなりシリアスにプロレスと野球と牛丼を語るプ・球・丼三拍子揃ったトリプルスリーコラム『燃えデブ』が今週も始まった。

ファールボールの度にライン際を凄まじい迫力で突進するバレンティン

 一昔前のスタン・ハンセンとかビッグバン・ベイダーとか、バースとかブーマーとか、あの手の大型外国人プレーヤーが持つ大味かつ豪快なエンタメ性は近年どのジャンルでも薄れ…と言うか通用しなくなってきている。サッカーロシアW杯だって、メッシやネイマールのような古典的な10番に頼るチームは上位に行けず、献身的なクロアチアの10番モドリッチが自国を準優勝に導き大会MVPにも輝いた。最近の巨人もキング・ゲレーロは2軍落ちして、ヤングマンやメルセデスといった投手を先発ローテで起用している。優先すべきはエンタメ性より機能性だ。まるで一億層家電化の流れ。そんな時代だからこそ、規格外のスケールを誇る大原優乃のグラビア…じゃなくてウラディミール・バレンティンのような選手は貴重なのである。

 身長185cm、体重100kgのヤクルトの大砲は来日8年目のシーズンを迎えている。先日、神宮球場の三塁側ブルペン前席でSG戦を観戦したが、ファールボールが飛ぶ度にレフトを守るバレンティンがライン際に突進してきて凄まじい迫力だった。冗談抜きで前方席の子どもはビビっていた。まるで、ブルーザー・ブロディの場外乱闘に巻き込まれ泣き叫ぶ少年のように。興行においてデカさは客を呼べる。大原優乃のパイオ…じゃなくて、バレンティンの特大弾のようにだ。

今年の夏は大原優乃とバレンティンで猛暑を乗り切りたい

 日本球界初の60本塁打を放った2013年は本塁打率7.32と全盛期の王貞治や落合博満を上回る数字を記録し、計3度の本塁打王、6度の30本塁打越えといまや21世紀を代表するスラッガーであり、平成最強クラスの助っ人だ。時折見せる屁みたいな外野守備はご愛嬌。走塁意識が高まった今季前半戦はセ・トップタイの19本塁打をマーク。NPB現役の通算本塁打数では236本で5位。上位には阿部慎之助393本(7251打数)、中村剛也362本(5001打数)、新井貴浩318本(7890打数)、福留孝介263本(5999打数)と錚々たる面子が並ぶが、34歳のバレンティンはなんと2862打数と極端に少ない打数でここにランクインしている。現在、中田翔194本、筒香嘉智157本、山田哲人151本なので、日本球界で次に300本に到達するのはバレ砲ではないだろうか。大きな怪我さえなければ、2020年シーズンには外国人枠から外れることになる。

 実は個人的に56本塁打前後の数試合は神宮球場に通ったほどバレンティンのファンだ。会社帰りの20代後半の男性が3回表あたりに到着して隣の席に座るなり「56号、まだ出てませんよね」と汗だくのまま確認してきたのをよく覚えている。彼はハングリーで、俺も何かに飢えていた。そこにいるすべての観客がただ一本の本塁打を持っていた。2013年夏の終わり、みんな元気で楽しそうだった。それは今も変わらない。よし、今年の夏は大原優乃とバレンティンで猛暑を乗り切ろうか。

 いつの時代もドでかいホームランとパイオツは俺らの明日へのガソリンなのである。

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