Lifestyle

コンビニのイートインスペースで“18歳のキヨマー”と“50歳の清原和博”を想うお盆【燃えろ!!デブ野球】第31回 

燃えデブ第31回は甲子園歴代最多の13本塁打を放った“キヨマー”こと清原和博!

昼下がり近所ののコンビニ。スポーツ報知とサンドイッチとレッドブルを買って、店内でそのまま読む

 最近、コンビニのイートインをよく使う。

 昼過ぎに起きて、散歩がてら通う近所のセブンイレブンでスポーツ報知とサンドイッチとレッドブルを買って、そのまま店内で読む。30代後半の男の生活としてはかなり終わってる気もするが、俺にとってはある意味1日の始まりだ。だってスタバにはスポーツ新聞は売ってないからね。なんつって、今週もイートインコラム『燃えデブ』が始まった。

 仮に街のカフェが“パイオツステーション”みたいな店名とロゴマークだったら、おネエちゃんたちはあれだけ有り難がってカフェモカを飲むだろうか? 結局は中身よりイメージじゃねえかと往年の真島昌利ばりに叫びたくもなるが、個人的に35歳あたりを境にコンビニイートインで肉まんを食うことも、ユニクロやGUの980円のシャツを着ることも、一人で洗体エステへ行くこともまったく恥ずかしくなくなった。たぶんイメージを追うのに飽きて、「もう若くない自分」を受け入れたのだろう。だから、人生がいっそう楽しくというより、気楽になった。基本的に20代前半の社会に出て間もない若いオスは悲惨だ(村上龍のエッセイのようになってきた)。サバイバルの術も無ければ、カネもない。もし自分がこの時代に22歳の若者だったら、Twitterでクソリプを飛ばしてストレス解消するクソみたいなガキになっていたかもしれない。

G1クライマックス、柴田が棚橋を歓喜の肩車するシーンで、清原、桑田のことを思い出した

 だから、そんな無力なヤングライオン時代をともに過ごしたプロレスラー棚橋弘至のG1決勝戦セコンドに柴田勝頼がついたのはいい光景だった。10数年前、同世代の中邑真輔を含め“新闘魂三銃士”と呼ばれた彼らも、三者三様のレスラー人生を送ってきた。そして2018年夏、38歳の中邑はアメリカのWWEでキング・オブ・ストロングスタイルを見せつけ、同じく38歳の柴田は総合格闘技を経て6年前に古巣復帰しながら硬膜下血腫により昨年4月から長期欠場中、41歳になった棚橋は新日本プロレスのセルリアンブルーのリングに上がり続けている。

 優勝した直後に柴田が棚橋を歓喜の肩車するシーンは、ライバル関係からの友情・努力・勝利という王道ストーリーで思わず泣いてしまったわけだが、やはり清原和博と桑田真澄のことを思い出した。夏の甲子園の季節になると必ず話題に上がるKKコンビ。しかも今夏は『清原和博 告白』(文藝春秋)も発売された。この本の「いろいろなことの日付をほとんど忘れてしまっていた中で、1985年11月20日のドラフトの日だけははっきりと覚えている」という清原の言葉はひたすら重い。

 それ以前に薬物事件から2年半のタイミングでこういう本を出すことに否定的な声も多いだろう。もちろん元野球選手であろうと一般人であろうと誰が起こそうと罪は罪だ。簡単に許されることじゃない。最近は現役プロ野球選手の不祥事も多いし、世の中は芸能人の不倫で溢れている。だが、思わず“正義の銃弾”をぶっ放したくなった時、ふと「そういう自分はどうなんだろう?」と考える。絶対に大丈夫、永久に清廉潔白だと誓えるだろうか…。道端で誰かに絡まれて反射的にぶん殴って罪に問われるかもしれない。飲みに出た夜の街でトラブルに巻き込まれる可能性だってある。だって、あのプロ1年目から打率3割・30本塁打を達成して誰よりもキラキラしていたキヨマーでさえこういう状況なんだよ。人生一寸先はハプニングだ。

子供の頃、『かっとばせ!キヨハラくん』を楽しんだ我々こそ、その30年後に『清原和博 告白』を読む意味がある

 数十年に渡ってキャリアを追い続け、子供の頃、漫画『かっとばせ!キヨハラくん』を楽しんだ我々こそ、その30年後に『清原和博 告白』を読む意味がある。大げさではなく、80年代後半の清原は今のイチローや大谷翔平以上の人気があった。テレビの中のスーパースターというより、天真爛漫で親しみやすいリアルヒーローである。あれから30数年…。正直、50歳キヨマーのあまりの幼さや女々しさに閉口してしまう箇所も数多い。「ホームランより自分を満たしてくれるものはない」って当たり前だコノヤロー。サラリーマンはホームランすら打てねぇけど、たまのヒットのために汗流して人生を懸けてるんだ。栄光の若手時代を生きた清原は「もう若くない自分」を受け入れられていない。だから、おじさん特有の気楽さを手に入れることができない。

 誰だって後悔の過去から逃れることはできない。同時に栄光の過去が消えることもない。あんたも俺らも年を取った。それは事実だ。もういい加減、“番長”じゃなく、“おじさん”になっていいころだと思う。

 清原さん、まずはコンビニのイートインスペースで、気楽にスポーツ新聞読みながら、レッドブル飲むところから始めないか。

<関連記事>
【燃えろ!!デブ野球】あの頃、僕らはみんなデブだった
【燃えろ!!デブ野球】第21回 金髪モヒカンの中日ガルシアにパンクラスの秒殺を重ねた、しょっぱい三日月の夜
【燃えろ!!デブ野球】第22回 牛たれカツ丼を食べながら、「二塁マギー」を忘れないでいようと心に誓った京セラドーム
【燃えろ!!デブ野球】第23回 右翼ペゲーロのズンドコ守備にフリオ・ズレータを思い出した東京の夜
【燃えろ!!デブ野球】第24回 あの頃、僕らは井川慶からプロ野球とサッカーW杯の両立は可能だと教わった
【燃えろ!!デブ野球】第25回 祝・オールスター選出! テレホーダイ世代は松坂大輔の背中に“平成史”を見た
【燃えろ!!デブ野球】第26回 W杯を眺めながら、相手監督に顔面キックを食らったトレーバーを思い出す明け方
【燃えろ!!デブ野球】第27回 猛暑に負けないために必要なのは、大原優乃とバレンティンだと気付いた神宮の夜
【燃えろ!!デブ野球】第28回 部屋とカップ焼そばと森友哉
【燃えろ!!デブ野球】第29回 扇風機のヌルい風に吹かれて、長州力の名言に山下斐紹を重ね合わせた
ファイプロ新作発売の夏、野球少年が西武メヒアを好きになった理由を知った【燃えろ!!デブ野球第30回】

プロ野球死亡遊戯

BMI check maker

BMIチェックメーカー

BMIチェックメーカー