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ジム行ってロードバイク乗ってスカしたって、俺らの原点は『パワーリーグ』だ【燃えろ!!デブ野球】第73回

燃えデブ第73回は懐かしの20世紀野球ゲームクロニクル!

俺はつくづく思った。なるべく配信じゃなく手元に残るCD、DVDとかブルーレイを買おうと。面倒でも安心を買うつもりでさ。

 便利さを過信すると痛い目にあうな。

 先日、MacOSをアップデートしたら、なぜかクラウドストレージ内のデータが消え、サブ的な外付けHDも認識せず、動揺して無意味にフルーツ牛乳を飲み出す始末で、あやうく3000本近い原稿が消えるところだった。で、なんとか数時間かけてデータ修復したあと俺はつくづく思った。なるべく音楽配信じゃなくCDで揃え、やっぱりエロ系も動画配信じゃなくちゃんと手元に残るDVDとかブルーレイを買おうと。面倒でも安心を買うつもりでさ。

 まあやっぱ形ある“実物”を手にした瞬間ってワクワクするじゃん。シュリンクフィルム剥がしてディスク取り出して再生ボタンを押すあの攻防戦。そう言えば、ゲームも最近は任天堂バーチャルコンソールでダウンロードして、『パイロットウイングス』とか『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』をやってるんだけど、PS4の『ウイニングイレブン』シリーズの新作はパッケージソフトを買う。もう個人的に20年続けるひとつの儀式だよね。同年代の男数名と焼き肉を焼きながら「最近、ゲームやる?」という話になったが、「たまーに子どものSwitchの相手やるくらい」とか「ウイイレの7あたりまで発売日に買ってたけど、もう全然」と男たちはゲーム離れをカミングアウトしていた。嫌いなわけじゃない、でもとにかく時間がたりない。ユニコーンの『すばらしい日々』が身に沁みる年頃だ。『車も電話もないけれど』もマジ名曲なんだよ……なんつって、浅草炭火焼肉『本とさや』でとさやサラダにキムチに肉とひたすら食いまくって今週も大迷惑コラム『燃えデブ』が始まった。

今の80年前後生まれって、物心ついた時からウチにファミコンがあった最初の世代なんだよね。

 ゲームで育った子どもたち。ファミリーコンピューター発売が1983年(昭和58年)。つまり今の80年前後生まれの30代後半~40代前半って、物心ついた時からウチにファミコンがあった最初の世代なんだよね。もうナチュラルにTVゲームカルチャーで育ってる。例えば、飲みの席で野球ゲームを語るにしても『ファミスタ』と『パワプロ』をメインに、ネタ枠の『燃えプロ』はみんな余裕の社会常識で通ってるみたいなさ。ただ、それは野球ゲーム史オモテ版みたいなもので、何事もウラがある。PCエンジンの『ワールドスタジアム』の画面の綺麗さにビビったり、『究極ハリキリスタジアム』の女性アイドルだけのチーム“アイドール”に興奮して乱闘シーンに真剣に燃えたあの頃をなかったことにはできない(ハリキリって死語感が半端ない)。『ベストプレープロ野球』でチームエディットをコツコツすることで積み重ねの大切さ知り、野球選手名を覚えたキッズも多いだろう。

 そして、なにより88年にバップから発売された『スーパーリアルベースボール’88』は「プロ野球12球団面白認定ゲーム」「これは、野球ゲーム史に残る問題作」というキャッチコピーそのままに、ついにゲーム史上初12球団の選手が実名のまま登場する。ボール捕球時に刹那のタイミングでボタンを押さないと落球するという超シビアな操作法に、子どもたちは大人社会の理不尽さを学んだものだ(ホントかよ)。スーファミでは『スーパーウルトラベースボール』のニンジャボールやスネークボールのありえへん軌道には進化した21世紀の野球盤を夢を見て、無謀な勇気とともにリアルさを追及したハドソンの『スーパーパワーリーグ』シリーズでは中井美穂(現古田妻)や福島弓子(現イチロー妻)が実写映像で登場。試合中は実況音声もつくという当時としては斬新な試みもあった。パワーリーグでホームラン級の当たりを打った瞬間に打者視点のまま画面カメラが打球の行方を追う、あの爽快感は野球ゲーム史上屈指だと思う。

ジャンルのマニア化が進んで、21世紀の世間の“野球離れ”って“野球ゲーム離れ”でもある。

 ってこれ書きながら軽く引いたけど、いったいどれだけ野球ゲーム出まくってんだよと。昭和の終わり、平成が始まる直前の88年12月末には『プロ野球?殺人事件!』という推理アドベンチャーもどさくさに紛れて発売。登場キャラクターは“いがわすぐる”に“ほらたつのり”に“くあたますみ”って訴えられても文句言えないよ! で、最近はがっつり野球ゲームやってる? ゴメン、ほとんどやってないわ。たぶん多くの元ファミコンチルドレンの中年男たちもそうだと思う。スマホゲームはあくまで通勤時の暇つぶし感覚だし、要はジャンルのマニア化が進んで、21世紀の世間の“野球離れ”って“野球ゲーム離れ”でもある。2003年夏に出たゲーム雑誌『CONTINUE』内でピエール瀧はこんなことを言っている。
「『ウイイレ』は男同士で勝ち負けをハッキリさせるためのツールになってる。昔は『ファミスタ』がその役目を果たしてたけど、最近は『ウイイレ』なんだよ」

 確かにそうだな、日韓W杯前後のあの異常なサッカーブームを牽引していたのは中田英寿とウイイレだった。スーパースター選手と大ヒットゲームのダブルパンチ。気が付けば、俺らも野球ゲームが日常のコミュニケーションツールではなくなっていた。最近、メガドライブミニとかPCエンジンミニが話題だけど、なによりガキの頃に日常のど真ん中にあったのは腐るほどの野球ゲームだったはずだ。大人になって、ジムへ行って結構高いロードバイク乗ってプロテイン飲んで、どんなにスカしたって、俺らの原点は蒲焼さん太郎を噛みしめながらやったスーファミの『スーパーパワーリーグ』じゃねえか。汗かいてiPhoneじゃなく毎日コントローラーを握りしめていたわけじゃん。その事実は忘れないでいたい。

 この夏、久々にPS4ソフトの『プロ野球スピリッツ2019』でも買うことにするよ。

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