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真昼間のハマスタで山下君と恋ちゃんと、遠く広島の長野さんのことを考えた【燃えろ!!デブ野球】第76回

燃えデブ第76回はプロ野球のリアル、午前11時のハマスタ2軍戦リポート!

火曜午前11時プレイボールの2軍戦DeNA対巨人を見るためハマスタへ向かった。

 火曜日の午後が好きだ。

 月曜は週アタマでバタつくし、水曜は週真ん中のノー残業デーでなぜか飲み会が多かったりするし、木曜や金曜は仕事の帳尻合わせで忙しい。週末はなんだかんだと予定が入る。でも火曜日はめちゃくちゃのんびりしてる。自由だ。日常生活にスポイルされていない。若奥様の不倫も火曜午後が最も多いらしい……って、いやそういうことじゃなくてね。

 そんな能天気な火曜だからこそできる安全な大人の遊びがあるはずだなんて、7月2日火曜午前11時プレイボールの2軍戦DeNA対巨人を見るためハマスタへ向かった。平日の午前からプロ野球を見る。しかもイースタンリーグ。試合展開次第では、中華街やサウナへ行ってもいい。ガキの頃、こんなオヤジになりたかった。って人のことは言えないが、この人たち仕事はどうしてんだろう。世の中は俺らが思う以上に複雑である。普段は朝まで原稿を書いたりウイイレしたりして昼過ぎまで寝る生活なので、午前の鈍行電車に乗るのは久しぶりだ。関内駅に降り立つとけっこう暑い。帽子持ってくれば良かったな。横浜スタジアムは東京五輪に向けて既存観客数29,000人を約6000人増やす増築工事中。1000円で入場するとバックネット裏中段あたりに陣取る。曇り空で太陽が燃えている。朝から何も食ってないからまずは腹ごしらえなんつって、山﨑康晃プロデュース『柔らかお肉のポートフィールドライス』をかっ食らいながら今週もスーパーテューズデーコラム『燃えデブ』が始まった。

数年前に巨人2軍リポートの連載をやっていたが、今読み返すと若手選手のほとんどはすでにチームを去ったり、ユニフォームを脱いでいる。

 試合開始間もなく、白いランニング姿の昭和の香り漂う紳士たちに紛れて野球観戦仲間のG党が続々とやってくる。いやだからみんな今日の仕事は……なんて突っ込みは野暮だろう。お目当てはもちろん、巨人の育成選手で3番を打つ山下航汰だ。2軍で打率3割を超すルーキーは支配下待ったなし。恐らく三桁の背番号009を見れるのもあとわずか……ってこの数日後に支配下登録が発表されて背番号99になったので、本当に「育成の山下」を現地で見る最後のゲームとなった。高卒1年目での支配下登録は球団史上初。会見で着ていたスーツは祖母からのプレゼントだという。今が旬のピッチピッチの18歳。若手は生ものだ。繊細な高級マンゴーじゃなく、野性のゴーヤのように荒々しく育てるというタツノリ理論はいまいち意味不明だが、本当に旬の時期は長くて3年くらいじゃないだろうか? 数年前に雑誌『ヤングアニマル』で「未来は僕等の手の中」という巨人2軍リポートの連載をやっていたが、今読み返すとそこでとりあげた若手選手のほとんどはすでにチームを去ったり、ユニフォームを脱いでいる。現にあの頃、巨人で期待の若手だった中井大介は30歳になる今シーズン、DeNA2軍の3番セカンドで先発出場だ。

 ついこの間、新卒のフレッシュマンだと思ってたら、えっお前もうすぐ30になるの? みたいなあの感じ。いや「お前」って呼ぶのやめてください。あ、ごめんね与田さん。とかやってる場合じゃない。若手にはマジ時間がないのだ。楽天へのトレードが決まった和田恋も23歳で動けてある意味ラッキーだと思う。タツノリの言葉を借りれば「恋ちゃんは求められて行った」わけだから。セ・リーグにDHがあったらと誰もが妄想した右のスラッガー。だが、最近の楽天の指名打者はすでに20本塁打のブラッシュだ。移籍したらしたで再びハードな生存競争に放り込まれる。ハマスタのスタンドで風に吹かれ、日本ハムから移籍してきた藤岡貴裕の巨人初登板を眺めながら、ふと2軍生活中の赤ヘル長野久義のことを考える。今年35歳、マイペースのスロースターター。巨人時代は春先に不調でも暗黙の了解的にスタメンで使ってもらえた。なんだかんだ夏場には打率2割8分あたりまで上げているし、他に外野手もいないしみたいな起用法だ。だが、カープではイチからのスタート。つまり、新しい職場ではこれまでの常識がすべて許容してもらえるわけじゃない。……うーん、他人事とは思えねぇ。

今、長野はどんな心境で2軍にいるのだろうか? またハングリーな姿をマツダスタジアムで見せてくれよチョーさん。

 もう自分のやり方が確立している中年男が無理して周囲に合わせると空回りしがち。いつの時代もベテランの移籍で多いのは、新天地で張り切りすぎてしまうケース。同じくFA人的補償で西武へ移籍した37歳の内海哲也も飛ばしすぎて故障してしまった。どんな職業も30代中盤の転職は難しい。慣れない環境で何かを証明し、過去の自分のイメージとも戦うハメになるからだ。もちろん体力的には20代の頃よりも落ちている。今、長野はどんな心境で2軍にいるのだろうか? 自分と入れ替わりで巨人加入の丸佳浩は全盛期ど真ん中の大活躍を見せ原巨人首位独走の原動力に。そりゃあ表面上は無難なコメントを残しても、腹の中じゃ「今に見てろよ」と思わなきゃ嘘だ。で、皮肉にもその手の反骨心っていうのは巨人時代後半の長野に最も足りないものだった気がする。プロ入り間もない頃のちょっとガツガツしたプレーをする背番号7は最高に格好良かった。またあんなハングリーな姿をマツダスタジアムで見せてくれよチョーさん。

 とか思っていたら、ハマスタの育成の星・山下航汰は3安打猛打賞だ。和田恋もこの18歳山下の支配下登録で運命が変わったとも言える。次から次へと新しい選手が入ってきて、限られた枠を争う終わりなき椅子取りゲーム。悲しいけどコレ早い者勝ちだ。いつか山下には、長野の背番号7を着けられるような選手になってほしい。よし、じゃあ俺は一度帰って仮眠とってから東京ドームの1軍巨人戦へ行こっかな。「あ、俺も行くから」なんつって最近球場でやたらと遭遇するスタイリストの伊賀大介氏と握手をして別れる。その横で敏腕K編集マンは「自分は5日のドーム観戦すね」とニヤリと笑う。

 じゃ、とりあえず解散! そう言えば、首筋や腕が日焼けでヒリヒリするのはいつ以来だろうか? 梅雨なんてぶっ飛ばせ。クレイジー・ベースボール・ピープルの夏は始まったばかりだ。

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